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幾何分布

· 4 min read

ポケモンGoをやっていると、伝説ポケモンのレイドバトル後のゲットチャレンジで何度良い投球をしたつもりでも逃げられてしまったり、わざマシンを何度使ってもループして目的の技を引き当てることができなかったりすることがあり、 なんて運が悪いんだ、と思うことがある。

運営がおかしな操作を加えているなどという陰謀論は置いておき各試行で成功率は一定で独立なベルヌーイ試行になっているとして、chance levelと比べてどれだけ運が悪いのかを考えてみる。

さて、成功確率ppのベルヌーイ試行を繰り返すとき、初めて成功するまでの試行回数XXが従う分布を**幾何分布(geometric distribution)**といい、

P(X=k)=(1p)k1p(k=1,2,)P(X=k) = (1-p)^{k-1}p \quad (k=1,2,\cdots)

で定義される(k1k-1回連続で失敗して、kk回目で成功する確率を考えればよいことになる)。

期待値E(X)E(X)1/p1/pとなる。

任意のppに対し、kkを1~20まで変化させて、kk回目で初めて成功する確率、kk回目も失敗する確率をプロットしてみる。 わざマシンならnn種類の技の候補があればp=1/np = 1/n、レイドバトルの捕獲率は金のズリのみを使ってカーブボールのグレートスローを当てたとして13%程度(厳密には天候ブーストの有無やタイプメダル、サークル半径に依存する)。


こうしてみると、tailが長い分布になっていることが分かる。わざマシンをついつい無駄にしてしまうのは、僕らの直感がこうしたlong tailで無記憶性をもつ分布に慣れていないからなのかも知れない。(各回が独立なのだから、これまで何回失敗したからといって次に成功しやすくなることはないのだが、サンクコストの呪縛にハマってしまうことになる。)